
Google Antigravityで開発を進めていると、「毎回同じ前提ルールを指示するのが大変」「親の上位モデルばかり使うと週次クォータがすぐ減る」と悩むことがあります。
解決の鍵は、作業前にGEMINI.mdへ「ATDD(受け入れテスト駆動開発)の自己検証」と「4階層分業(1. 親AI:司令塔 × 2. 子AI:調査サブ × 3. 子AI:軽量生成サブ × 4. ローカルPython)」を定義しておくことです。品質維持とクォータ65%節約を両立する設計術を解説します。

わたしも最初は『とにかく一番賢い親AI(上位モデル)に全部お任せすればいいや!』と思って、ファイル検索も画像生成も構文チェックもすべてメインスレッドで直列実行させていました。するとスピードは遅いわ、ちょっとした手直しで大量のトークンが溶けるわで大変だったのですが、GEMINI.mdに『親AI・2種類の子AI・ローカルPythonの4階層分業ルール』を書いてからは、品質が上がったのにクォータ消費が3分の1以下に減って驚きました!
この記事でできるようになること|Antigravityを最速・高品質化する3つのゴール
まずは、作業開始前に GEMINI.md へルールを仕込むことで開発フロー全体がどう変わるのか、全体像イラストと4つの基本用語を確認します。
そもそも「GEMINI.md」や「ATDD(受け入れテスト駆動開発)」とは?4つの基本用語を30秒で整理
具体的な設定テンプレートを見る前に、本記事で核となる4つのキーワード(「GEMINI.md」「ATDD」「サブエージェント」「決定論的スクリプト」)が「一言でいうと何なのか」を平易な言葉で整理しておきます。
GEMINI.mdとは、プロジェクトのフォルダ直下に置いておくと、Antigravityがすべての会話の最初に自動的に読み込んで守ってくれる「AI専用の作業指示書(カスタムルールファイル)」のことです。
ここにコーディング規約やテスト手順を書いておけば、人間が毎回チャット欄で同じ注意を繰り返す必要がなくなります。
ATDDとは、プログラムを1行も書き始める前に「何ができれば合格か(受け入れ基準)」と「それを自動判定するテストコード」を先に作り、そのテストが合格(PASS)するように実装を進める開発手法のことです。
AI開発にATDDを取り入れると、AI自身がテストを動かしてバグを自己修正してから完了報告してくれるため、「人間が動かしてみたら動かなくて何度もやり直す」という手戻りトークン浪費を根本から防げます。
サブエージェントとは、メインで対話している親AI(司令塔となるオーケストレーター)から呼び出されて、別の独立した部屋(別コンテキスト)でファイル調査や画像生成などを並列で片付けて結果だけを親AIに報告してくれる「専門アシスタントAI(子AI)」のことです。
大量のファイルを読む作業を軽量な子AIに任せることで、親AIの記憶領域(コンテキスト)が肥大化せず、上位モデルの利用枠も節約できます。
決定論的スクリプトとは、文字数のカウント、HTMLタグの閉じ忘れチェック、リンク切れ確認、定型文字列の一括置換といった作業を、AIの頭脳(トークン)を使わずに手元PCの自動チェック用Pythonプログラムで機械的に処理する仕組みのことです。
何回実行しても常に同じ正確な結果が出るため「決定論的」と呼ばれ、AIトークン消費「ゼロ」かつ見落としゼロで1秒以内に判定が終わります。
GEMINI.md の有無およびモデル分業の方式による3パターンの実測比較表(4列比較)です。なお、「週に1〜2回、数十行の単発スクリプト作成や簡単な質問にしかAntigravityを使わない方」は、クォータ上限に達する心配がないため複雑な分業ルールを設定する必要はありません。
【STEP 1】手戻りトークン浪費をゼロにする「ATDD(受け入れテスト駆動開発)5段階ゲート」と「450行分割ルール」
週次クォータ(トークン利用枠)が最も無駄に消費される原因は、「AIがいきなりコードを書き始めて、人間が動かしてみたらバグがあり、何度も修正ラリーを繰り返すこと(手戻り)」です。これを防ぐため、GEMINI.md の第1章には以下の2つのルールを書き込んでおきます。
- 「人間に動作確認を丸投げしない(ATDD:受け入れテスト駆動開発 5段階プロセス)」を宣言させる
「コードを直したので画面を触って確認してください」と人間に丸投げする運用を禁止し、①合格条件(Acceptance Criteria)の事前定義 ➔ ②自動テストコードの先行作成(未実装でのFAIL確認) ➔ ③最小限で堅牢な実装(PASS化) ➔ ④既存機能の回帰テスト ➔ ⑤実測ログ・スクリーンショット付き完了報告の5ステップ自律完結をGEMINI.mdに明記。 - 「単一ステップ出力上限ガード(1ファイル450行以内+モジュール分割)」を組み込む
1回のwrite_to_fileツール呼び出しで1,000行超のコードを出力してDeadline exceededで途中停止する事故を防ぐため、「1ファイルあたり最大450行以内とし、超える場合は機能別サブモジュールに分割して一括実行用の親スクリプトから起動すること」を常駐ルール化。

以前は『とりあえず動かしてみて、エラーが出たら直してと伝える』やり方をしていたせいで、1つの機能を作るのに何往復もしてクォータがあっという間に溶けていました。先に合格条件と自動テストを作らせるATDD(受け入れテスト駆動開発)ルールをGEMINI.mdに入れてからは、一発合格が当たり前になって本当にラクになりました!
【STEP 2】優先度「品質 > スピード > トークン使用率」を守る4階層モデル分業(Tier 0〜3)
成果物の品質を落とさずに週次クォータを65%節約する核心テクニックが、「1. 親AI(司令塔)× 2. 調査用の子AI × 3. 軽量生成用の子AI × 4. ローカルPythonスクリプト」の4階層ハイブリッド分業(Tier 0〜Tier 3)です。重要なのは、親AIが子AI(サブエージェント)を呼ぶときに盲目的に親と同じ上位モデルを継承させず、タスクの性質に合わせて階層を明示指定させることです。
- 【第1階層(Tier 3):親AI(オーケストレーター/上位推論モデル)】➔ 全体設計・コア実装・高品質テキスト生成に集中
成果物の良し悪しを直接決定づける「アーキテクチャ設計」「子AIへのタスク割り振り(オーケストレーション)」「メインコード・長文コンテンツの執筆」は、軽量な子AIへ丸投げせず、親の上位モデル(2026年10月時点ではpro系モデル)が直接担当(品質最優先の原則)。 - 【第2階層(Tier 2):子AI①(高速調査・検証サブエージェント)】➔ 広範なコード調査・ログ抽出・ブラウザ実機検証を並列委譲
「数十個のファイルから該当箇所を探す」「DBのテーブル一覧を確認する」「ブラウザを起動してスクリーンショットを撮る」といった定型調査は、親AIスレッドの肥大化と上位トークン消費を防ぐため、高速調査用の子AI(2026年10月時点ではflashモデル指定のサブエージェント)で別部屋並列実行し、要約結果のみを親AIへ返却。 - 【第3階層(Tier 1):子AI②(超軽量生成サブエージェント)】➔ 図解ベースイラスト生成や単純分類を並列実行
ベース画像生成や定型的な分類タスクなどは、超軽量な子AI(2026年10月時点ではflash_liteモデル指定のサブエージェント)の3並列同時実行により、待ち時間の3分の1短縮と上位クォータ消費の最小化を両立。 - 【第4階層(Tier 0):決定論的Pythonスクリプト(トークン消費 0)】➔ 全件走査・構文検証・一括置換をローカルCPUで即実行
「全ファイルのタグ閉じ忘れチェック」「リンクの疎通確認」「特定キーワードの一括置換」はAIの目視読み込みを避け、自動チェック用のPythonプログラム実行によりトークン消費ゼロ・見落としゼロ・数秒以内で正確に処理。
大規模言語モデル(LLM)のシステム設計に関する研究(FrugalGPT等)でも、すべての処理に単一の巨大モデルを使うのではなく、タスクの性質に応じて軽量モデルやルールベースプログラムを組み合わせる階層型設計によって、精度を維持したままコストとレイテンシを大幅に削減できることが実証されています。
📖 学術研究・技術仕様の要点(Stanford University『FrugalGPT』論文より要旨整理)
大規模言語モデルの推論コストはモデル階層によって大きく異なります。高度な推論を要するコアタスクにのみ最上位モデルを割り当て、定型的な情報抽出や検証タスクを軽量モデルおよびルールベース処理へ適切に配分することで、最上位モデル単体と同等以上の品質を維持しながらコストを最大60〜90%削減できます。
出典:arXiv:2305.05176 - FrugalGPT: How to Use Large Language Models While Reducing Cost and Improving Performance

特に効果を実感するのが『Tier 0:ローカルPythonによる自動検証スクリプト(トークン消費ゼロ)』です!何十個ものファイルのチェックや一括修正をAIに1つずつ読ませるのではなく、自動チェック用のPythonプログラムで機械的に走査させれば、トークンを一切使わずに2秒で正確なチェックが終わります。
生成AIを単なるコード補完ツールとして使う段階から一歩進み、プロジェクト固有のカスタムルール定義や受け入れテスト駆動開発(ATDD)と組み合わせて開発生産性と品質を引き上げる実践書です。
司令塔となる親AI(オーケストレーター)と専門タスクを担う子AI(サブエージェント)、そして外部プログラムをどのように役割分担させれば品質とトークン効率を両立できるかを体系的に学べます。
【STEP 3】手戻り発生時の「Type A/B/C 隔離トリアージ」とコピペで使えるGEMINI.mdテンプレート
どれほど注意していても、実際に画面を表示した際に「ここの色を変えたい」「一部の文言やロジックを直したい」という修正(手戻り)が発生することはあります。このとき、すでに会話履歴が長くなった親AIのスレッド上でファイル全文を再出力させると、1回の修正で数万トークンが消費されてしまいます。そこで第3のルールとして「手戻り隔離トリアージ」と「実測時間の3分類計測」を定義します。
- 手戻りを「Type A / B / C」に分類し、全文再生成を禁止して「差分のみ」をピンポイントで差し替える
・Type A(CSS・属性・リンク等の構造修正):調査は調査用の子AI、修正はTier 0: Pythonスクリプト(ASTや正規表現)による一括置換(AIトークン消費ゼロ)。
・Type B(特定セクションのロジックや文章の修正):親の上位AIが担当し、ファイル全文の再生成を禁止した上で「該当ブロックの差分のみ」を生成して置換ツールで差し替え。
・Type C(全体設計の抜本変更):調査用の子AIによる素材再整理の後、親AIがモジュール分割で再構築。 - 作業完了時に「実測作業時間の3分類」と「KPT閉ループ化(再発防止ゲート追加)」を報告させる
各タスクの終わりに「①純粋なAI処理時間」「②サブエージェント・通信待機時間」「③人間の確認待ち時間」を分離計測し、検知した課題はその場で自動テストプログラムへ統合して再発防止を完結(閉ループ化)。

手直しが出たときに『親AIでファイル全文をもう一度書き直させない(差分だけをピンポイントで差し替える)』というルールを決めておくだけで、後半のトークン消費量が劇的に減ります!さらに見つけた課題をその場で自動チェック用のPythonプログラムへ追加させれば、同じミスが二度と起きなくなります。
実際にプロジェクトのルートにある GEMINI.md へそのままコピー&ペーストして使えるテンプレートです。
・コードを書く前に必ず「合格条件(Acceptance Criteria)」を定義し、自動テストを先行作成(Red ➔ Green)して自己検証すること(人間への動作確認丸投げ禁止)。
・【Deadline exceeded 防止】:1回のファイル出力行数は最大 450行以内 とする。大規模処理は機能別サブモジュール(各300〜450行)に分割し、一括実行用の親スクリプトから1コマンドで統合実行すること。
・画像合成やアップロード等の重いI/O(20秒超)は非同期タスクで先行起動し、後続モジュールの作成と並行オーバーラップさせること。
2. 優先度「品質 > スピード > トークン使用率」に基づく4階層分業(親AI×子AI×Python)
・サブエージェント(子AI)呼び出し時に盲目的な上位モデル継承を使うことを禁止する。
・Tier 3(親AI:司令塔・上位モデル):全体設計・オーケストレーション・コア実装・高品質テキスト生成(親スレッドが直接担当し品質維持)
・Tier 2(子AI①:高速調査サブモデル):広範なファイル調査・ログ抽出・実機ブラウザ検証の並列実行
・Tier 1(子AI②:超軽量生成サブモデル):ベースイラスト等の並列ビジュアル生成
・Tier 0(ローカルPythonスクリプト):全件走査・構文チェック・定型一括置換(トークン消費ゼロで機械実行)
3. 手戻り発生時の隔離トリアージ(全文再出力の禁止)
・修正発生時は親AIスレッドでの試行錯誤ループを避け、原因調査を子AI+Pythonへ隔離し、該当箇所の差分ブロックのみをピンポイントで修正・自動テスト統合(KPT閉ループ化)すること。

以前公開した「作業中のPC突然シャットダウン&重すぎる開発環境を根本解決!原因切り分け5ステップと軽量コンテナ移行ガイド」や「在宅ワークの「手首・肩の激痛」を根本リセット!親指トラックボール×低反発リストレスト×肘掛け高さ最適化の実測ガイド」でも、PC環境やデスク環境を最初に整えておくと毎日の作業が劇的にラクになる実体験をお伝えしましたが、Antigravityの『GEMINI.md』もまさに開発の土台そのものです!最初にこのテンプレートを貼っておくだけで、新しいチャットを開いた瞬間から親AIと子AIが連携して動いてくれますよ!
AIエージェントに的確な合格条件(ATDD)とアーキテクチャ指示を出せるエンジニアになるための、要件定義・テスト設計・チーム開発の基礎体力を実践形式で習得できるトレーニング講座です。
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まとめ|作業前の「GEMINI.md」1ファイルが品質とクォータ効率を大きく変える
Google Antigravityで手戻りゼロ・高品質・週次クォータ65%節約を同時にかなえる『GEMINI.md』作業前ルール設計術を振り返りました。
- ATDD(受け入れテスト駆動開発)5段階ゲートと450行分割ルール
実装前に合格条件と自動テストを定義させ、1ファイル450行以内で分割出力させることで途中停止と手戻りを防ぐ - 4階層ハイブリッド分業(Tier 0〜3)
品質を決める設計・核心実装は『親AI(司令塔・上位モデル)』が担当し、調査は『高速調査の子AI』、補助生成は『超軽量の子AI』、定型検証は『ローカルPythonスクリプト(0トークン)』へ明確に分業する - 手戻り隔離トリアージ
修正時はファイル全文を再出力させず、子AI+Pythonで原因を特定して差分のみをピンポイント置換する

『親の上位モデルの枠がすぐ足りなくなる…』と悩んでいたのが嘘のように、調査を子AI(サブエージェント)に任せ、全件チェックを自動検証用のPythonプログラム(0トークン)に切り替えた瞬間から、一番大事な設計とコア実装にたっぷり上位モデルを使えるようになりました!ぜひ上のGEMINI.mdテンプレートをコピーして、次の開発セッションから試してみてください!
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